土に触れ、笑顔になる
作品を「作る」興味はやがて、「陶芸体験」へと向かいました。
体験に来られる皆さんが、一様に楽しそうに過ごされる。
その笑顔に触れることが、私の喜びとなっていきました。
初めは緊張した面持ちで工房に来られた方も、
土に触れた瞬間にふっと表情が和らぎます。
「気持ちいい」――。それが、皆さんの反応です。
私がろくろでお手本を見せると、
形を変えていく土の様子に、皆さん驚いてくださいます。
作陶に現れる「人となり」
多くの方の作陶を見守るうちに、私はあることに気づきました。
作品を作る。そこに、その人の性格や内面、
「その人なり」が現れるということです。
迷いなく、自分を信じて生きている方は、作陶にも迷いがありません。
私の助言に対しても反応が早く、勘も冴えています。
一方「もう少し思い切って力を入れてみてください」とお伝えしても、
なかなか思い切れない方もいらっしゃいます。
そうした方は、どこか自分に自信をなくされていたり、
迷いや悩みを抱えていらっしゃることが多いのです。
ですが、どんなに迷っていた方も、やがて自分の作品が形を成すと、その表情はパッと晴れやかになっていきます。
思い出されていく感性
そうした方たちもやがて自分の作品ができると、
晴れやかになっていきます。
自分にも作り上げられた喜び。
夢中になることが、素直な反射的な反応を呼ぶのだと思いました。
作陶は作品作りのためのものではありますが、
癒しとしての作用が大きいと思います。
土の何とも言えない感触は、
幼い頃の思い出を呼び起こしてくれます。
作品ができていく様は、
自分にも作ることができると、自信につながります。
陶芸が人を無邪気にする。
そこには思考に縛られない自分がいます。
それだけは間違いありません。